おそらく、誰もが胸弦はそんなに気にしてはいないと思います。
しかし、物理的に見ていくと的中のためには無視できない存在です。
なぜなら、弓の姿勢を保つには、的付け、ほお付けの2点だけでは保てません。物の姿勢を安定させるためには、3点が必要なのは当たり前のことです。
胸弦が弓の姿勢を保つための重要な3点目になるのです。
しかも、離れのブレを無くす機能をも果たします。決して無視しないでください。押し手の手の内がどうのこうのと細かいことを気にするよりもずっと重要なのです。
<仮説6>
胸弦は活用すべきである。
<検証>
紙に直線を引く時は定規を使います。
ペン先を定規に当てることでペンの軌跡をガイドして真っ直ぐな線を引きます。フリーハンドでは線がブレるのはごく当たり前のことです。
離れも人が行うことなので同じです。
勝手は固定していないので3次元に動くことができます。矢を会の位置から動かさないで真っ直ぐに離れるためには定規の様にガイドとなるものが欲しいわけです。それが胸弦となります。
会で張り合うとき、
勝手の肘で引く力で弦を胸に押し当てる方向(背中側)に働かせます。
そして胸弦で支えて取り懸けを解き、勝手を残身の位置まで真っ直ぐに開いて離れます。取り懸けを解く時のブレを胸弦でガイドとすることで、会のままの位置で離れることが出来るようになるのです。
実に理にかなっています。
胸弦をちゃんとつけることは、弓の引き付けも充分となって、身体(骨格)が弓に入るので、会も楽になって安定します。離れの反動もしっかりと受け止めれるようになります。
もちろん、ほお付けの方は触るか触らないか程度でないといけません、矢が前に押し出されるためです。
<まとめ>
胸弦についてはほとんど重要視されていませんが、押し手の震えを安定させたり、勝手の離れの動作を受け止めてブレを防いでくれます。
体が弓の中に入ることもあって会全体も安定します。
胸を離れの中心として意識もできます。
そして、離れの時のブレを無くす。
とにかく良いことづくめなのです。
次は、弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較を予定します。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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