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2018年12月14日金曜日

弓道の的中(射技)の物理的考察~集中力、モチベーションを下げない練習方法~

23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?

学生の時は、最初は高校からの経験者に早く追いつこうと、やみくもに練習をしていたように思います。それから、よく中る先輩のようになりたいとか、試合で勝ちたいとか、少しづつレベルアップしてモチベーションUpにはことかかなかったと思います。

でも今はそういったきっかけも少なく、どうやれば集中力、モチベーションを下げない練習ができるのか、私が工夫してやっている方法を紹介しますので、参考にしてください。


<仮説14>
集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?

<検証>
私がお奨めする練習方法。

①まず、その日の課題(確認したいこと、改善したいこと)を明確にしておきましょう。目的を明確にすることでモチベーションは上がります。

②目標立ち数、目標的中率を決め、自分の一番良い状態をイメージしながら1立ち目から集中して行射し、的中の記録を取ります。記録することは、目標を明確にして集中力を維持します。審査、試合、射詰を想定して1立ち目から全力で取り組みます。

③目標立ち数での結果、的中率を振り返ります。
目標立ち数が5立ち、目標的中率60%なら、20射12中以上で達成です。何が良かったか、何が悪かったかを明確にし、曖昧にしないことです。その日の課題(確認したいこと、修正したいこと)としたことが、出来ていたかを振り返ります。

ここで、その日の目標が達成できていたら、ここで、練習は終了して良いでしょう。そして、自分にご褒美をあげてください。
大切なのは、だらだらと多く矢数をかけないことです。

④満足できなかったら、反省点・課題を修正しながら、立ちを重ねます。
自分で考え、修正し、改善していく力をつけることで、初めて上達できる様になります。解らないところは人に聞いてアドバイスを受けるのも必要です。ただ、鵜呑みにしないで自分でしっかり確認してみることは必要です。人のやっていることが自分に合っているとは限りません。(体型が違うとまるで逆の力の使い方をしている場合もあります)
この場合は、目標的中率60%に対して50%と達成できていません。
そこで、悪かったところの修正を考えます。

⑤修正した引き方で、目標的中率までの挽回を試みましょう。

6立ち目で2中を出せたら、1立ち目の挽回として1立ち目と入れ替えます。7立ち目で3中を出せたら、2立ち目の挽回として2立ち目と入れ替えます。ここで、目標達成です。このように、修正と挽回を目的にすることで、さらに集中力を高めた立ちを重ねることができます。修正力・挽回力を高めることができます。
その日の全て立ち数の的中率を結果として評価することもありますが、調子には波があるので、的中が上がらずに嫌になってくる場合が多いと思います。
このようにその日のベストな目標立ち数の分だけを評価して、ポジティブシンキングすることにしましょう。

⑥最後にその日の全体を振り返り、反省点と次の練習の課題を明確にします。
実際に弓を引かなくても、イメージトレーニングをすることができます。課題解決のヒントが浮かぶ場合もあります。自分に足りない知識を得ておくと良いでしょう。

⑦月1ペースくらいで自分の立ちを動画撮影して、イメージどおりにできているところや悪いところを確認することも大事です。特に離れや勝手の動きは自分から見ることができないので、動画で確認することがMUSTです。
姿見(鏡)で確認できるのは、射形程度です。今では、スマホで簡単に撮影できるので、大いに活用してください。

これは、ある日の稽古の記録です。
  目標10立ち
リベンジ2立ち

10立ちを目標に稽古。4と9立ち目が2中だったので、引き方を修正して2立ちでリベンジでき、この日の稽古は終了できました。修正した感覚を忘れずに次の稽古に活かします。この方法で、自分のポテンシャルを確かめることもできます。
皆さんもこの方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。

このブログの弓道の的中(射技)の物理的考察で説明してきた内容を実践できれば、私のような貧弱な老体でも、上記のような的中が実現できることはすでに検証済みです。(調子の良し悪しはありますが・・・)指導者に恵まれていない方は、ぜひ参考にしてみてください。


<まとめ>
その日のベストな目標立ち数の分だけを評価して、もっとポジティブシンキングな練習をしていきましょう。


次回は、弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?を予定します。的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。

がんばれ!


弓道の的中(射技)の物理的考察
もくじ

0.弓道の再開


1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える

11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?

21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて

29.弓返りに大切なのは弓の捻り

30.押し肘の回内はなぜ必要か?


31.夏の暑さから弓を守るには

32.的中率を上げるためにやれること

33.かけがえのないものを受け継ぐには

34.かけほどきを身につけよう

35.(続)夏の暑さから弓を守るには

36.両肘の張りと弓の裏反りは似ている?

37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある

38.的中のための本当のねらいとは

39.かけほどきの力の反作用も考えてみよう

40.的中は矢から学べ


41.「矢に学ぶ」①矢を分ける

42.「矢に学ぶ」②矢筋にのせる

43.「矢に学ぶ」③矢押し

44.「矢に学ぶ」④矢引き

45.「矢に学ぶ」⑤矢の離れ口

46.「矢に学ぶ」⑥矢妻をとる

47.「矢に学ぶ」⑦矢になる

48.スランプの原因を物理的に考察する

49.取り懸けをミクロに考察してみる

50.取り懸けをミクロに考察してみる(大切な補足編)


51.「離れ」の瞬間を考察する


がんばれ!

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