弓道は中らない。確かに弓道で的中を出すのは難しいです。では、なぜ中らないのでしょうか?
3.的中についてで「的付け通りに矢を飛ばす」ために不可欠な物理的条件について説明しました。しかし、押し手と勝手のブレ量を0で離れることは不可能です。では、どのくらいのブレ量であれば的中できるのでしょうか?
<仮説8>
正射必中に必要な幾何学的な必須条件がある。
<検証>
近的の的は直径360mm。的枠の内径を直径350mmとすると、的までの距離が28mで矢の長さは約1mなので、的枠の中に矢が入るために許容される矢先のブレ量は、
直径350mm×1m/28m≒直径12mm以内
矢先だけでなく筈側も両方ブレるので、それぞれのブレ量は、
直径6mm/2=±3mm以内
でなければなりません。
つまり、離れの動作で押し手と勝手のブレは、±3mm以内に収めることが必中の必須条件となるのです。
実際には、的付けやほお付けのズレ量も加わるので、これよりももっと小さくすることが要求されます。
なぜ弓道では矢が的に中らないのでしょうか?
その答えは、離れの際のブレ量が±3mmを超えるからなのです。
的付けのズレ量も含めて±3mm以内の離れを実現することが、正射必中の物理的な必須条件となりますが、それを実現するためには、離すではなく離れでなければなりません。その方法をこのブログで、できるだけ解りやすく具体的に説明してきました。
幾何学的な必須条件が明確になることにより、離れに求められる精度、離れで実現しないといけないことが具体的になることで、練習へのモチベーションが上がることを期待しています。
<まとめ>
正射必中に必要な幾何学的な必須条件は、
ブレ量±3mm以内の「離れ」を実現することである。
これは、誰も否定することはできない物理的事実です。
次は、細かい話にはなりますが・・・を予定します。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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