ページ

2023年1月24日火曜日

◎弓道の的中(射技)の物理的考察〜的中率をさらに上げるためにやれること〜

52.的中率をさらに上げるためにやれること


32.的中率を上げるためにやれることの説明から3年が経ちました。


①胸弦をしっかり付けて、弓を安定させ弓をしっかりと引き付けること。

②両肘で矢軸線方向に張り、会のままの離れを導く努力をすること。

この2つを意識して、精度高く引くことです。特に②は必須です。

➡︎
肘の張りで離れている的中


と説明しましたが、皆さんは、身に付けることができたでしょうか?

上記が身についていれば、50%以上の的中は出せるようになっていることでしょう。


そうでない場合には、もう一度、取り懸けと懸け解きを復習してみることをお勧めします。


ここからさらに的中率を上げるには・・・、

常識的な人は、「射技の向上を目指すことである」とでも説くのでしょうか。


しかし、物理的にみると、射技の上達はしなくても、

”的中している時の射をどれだけ再現し繰り返せるようになるか”

ということに尽きます。


弓道を始めて数年でも、9割以上の的中が出せる人の存在が、このことをすでに証明しています。



<仮説>

的中率をさらに上げるには、自らのルーティンとその目標を持つこと。



<検証>

さて今回も、結論から説明します。


的中率をさらに上げるためには、

①(射法八節)+会四節

②弦捻りのルーティン

上記2つの実行を提案します。


弓道のルーティンといえば基本的に射法八節ですが、最も大切なのは会です。このことは、誰もが認識していることだと思います。


しかし、

経験の浅い多くの人は早気です。

引き分けて会に入るや否や、的付けが付くや否やで離してしまっている人が多い。

その原因は、会の意味が理解されていないことによるものと推察します。

意味がないものは省かれる。それは必然でしょう。


会の意味が、気合の充実と説明してみても、とにかく解り難い。

なので、物理的にみた4つの節を会の中に置くことを、私は提案します。


①会四節

1.ねらい

2.弦捻り

3.弦押し

4.引付け


1.ねらい

的付けとほお付けを整え、さらに、矢軸線方向に張りの方向を合わせることです。

38.的中のための本当のねらいとはで説明したように、的付けとほお付けだけでは狙いは整いません。

的付けほお付け

矢軸線方向の張り


2.弦捻り

引き分けるとともに増加してきた弓力に合わせて強めてきた弦捻りの力の方向(ベクトル)を確認します(肘の張り利用して)。そうして、親指と中指が滑り出しそうになるレベルであることを感じます。


3.弦押し

大三〜引き分けまでは暴発しないように、弽帽子を押さえ弦枕で弦を受け止めています。このままでは、手を開かなければ離せないのはあたりまえです。

ここで、初めて取り懸けが解けるように状態をシフトさせます。

具体的には、弦を受け止めていた弦枕で、今度は逆に、弦を前に押し出すように力を効かせ、取り懸けが薄くなるように絞るようにします。

このことは、

2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)

49.取り懸けをミクロに考察してみる

50.取り懸けをミクロに考察してみる(大切な補足編)

51.「離れ」の瞬間を考察する

を参考にしてください。


<補足>

弦を前に押し出す感覚がわからないときは、指パッチンをするときの親指の第2関節(弦枕にあたる部分)の動きに注目してみるとよいでしょう。

懸け解きと指パッチンが異なる点は明確で、取り懸けは中指で親指を上から押さえる形になっているので、解くために弦捻りの力の利用を必要とする点です。

親指の第2関節部の動きは、親指を反らす場合とほぼ等しくなっていることも確認して納得しておくといいでしょう。(親指を反らすと残身で手が開いてしまいますが、親指の弦枕で弦を押していく方法では手は開きません)

押す力の強さは、各自の研究課題です。会の中でゆっくりと強めていくことで、感じ取ってください。弽帽子が逆に反りそうなくらいを目指すと良いでしょう。

親指で弦枕を押す→弦枕で弦を押す→弦は人差し指を押す→人差し指は中指を押す→取り懸けが解けるということになるので、決して握り込みにはなりません。


4.引付け

会の長さに慣れていないと、1〜3節まで進めてくる間に弓の引付けが甘くなってしまいます。それを克服するために、1〜3節を保ちながら両肘の張りで、再度、弓を引付けます。(射法八節図解には、「両肩の線を矢に近づける」と表記されています)

射法八節では、各節でそれぞれの動作を行いますが、会四節では、それぞれの動作を重ねていかなければならないということを、絶対に忘れないでください


会四節は、決して力む訳ではありません。力をかけている方向(ベクトル)を確認することと理解してください。


会四節は、かなり意識して行っても、外見からはまったく見えない動作になっています。(21.会では見えない動作がある?参照)

引分け
会1会2



会3会4
残身
(「”離れ”を意識するから離すようになる」と当時は教わりました)

②弦捻りのルーティン

会四節に不可欠な前準備のルーティンになります。次回に説明します。



<まとめ>

会四節の「3.弦押し」は、49.取り懸けをミクロに考察してみるにも書きましたように、


もしかすると、

私たちがよく耳にする「角見で押して離れる」と言う表現は、このことを言っているのかも知れませんし、ただ、私たちが、勝手に、押し手のことと勘違いしているだけなのかも知れません。敵には明かせない手の内も、押し手のことではなく勝手の取り懸けにあるのではないでしょうか・・・


の信憑性が高まることにも繋がっているように思います。


会四節の提案が、皆さんの射技の上達・的中率の向上に役立てば幸いに思います。


会が無い、早気を治しなさい、と注意されても、会がどんなものなのかをちゃんと定義してもらわなければ治せるわけはないでしょう、と早気の人を見るたびに思ってしまいます。



次回は、弦捻りのルーティンを予定します。

的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。

解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。


がんばれ!

2023年1月7日土曜日

エコな生活〜ダブルシーリングファンという選択〜

35.ダブルシーリングファンという選択


暖房効率を良くするには、天井に溜まる暖かい空気を循環させることが効果的です。サーキュレーターファンや扇風機も使えますが、インテリアを考えてリビングにシーリングファンライトをつけていました。

リビングのシーリングファンライト

特に冬の寒い日には、

天井付近は暖かいのに足元は寒いという状態を緩和してくれることが実感できます。ただデメリットもあります。ファンの表面に付く埃の掃除です。半年に1度は掃除する必要がありますが、埃取り用のモップがあれば充分です。


ところで、

我が家のリビングには部分的ですが、明かり取り用の小さな吹き抜け部分があります。(住宅密集地で陽の低い冬の時期に暗い1階を明るくしてくれています)


夏の暑い時には、暖かい空気を屋根の換気塔に導くのに効果的になのですが、冬は逆効果です。この吹き抜け部分にもシーリングファンを付けたかったのですが、1mもない狭い幅に収まるものがこれまではありませんでした。


が、

ネットで調べてみると、最近は意外と小型のものが出ていました。意外とリーズナブルな価格だったので、購入したのはこれです。

新潟の大雪で、2日ほど到着が遅れるというハプニングがありましたが、年越しには間に合いました。


暖房の暖かい空気で、汗をかきながらの作業となりました。循環の効果が期待できることを実感しながら、吹き抜けの埃の大掃除と合わせて取り付け作業が完了。

吹き抜けに取り付けたシーリングファンライト


これで、我が家のリビングは、ダブルシーリングファンとなりました。



効果は、この冬期間の電気代が確定してから語ることにしておきます。