※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
8月のベストな的中です。
気温35℃越えがあたりまえになってきました。暑い中、集中力を維持する方法を見出さなければなりませんね。
空調服を着て弓を引く姿を、見たくはない・・・。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
弓道の的中に悩める人への誰も語らない新事実、3Dプリンタ活用とエコな生活の実話、ちょっとは役に立つ情報満載です!
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
8月のベストな的中です。
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空調服を着て弓を引く姿を、見たくはない・・・。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
64.正しい打起しにはムダが無い
最近、SNSに射形の動画が上がっているのを見ることが多くなりました。「バンザイ」打起しになっている方も多くて、正しい「打起し」の形とはほど遠い状態になっていて、気になっています。しかしながら、「打起し」の形は、的中との相関はほぼ無いので、物理的考察の対象外かとも思えます。
正しい「打起し」から大三の形(弓道教本 第一巻より)
※両肘を少し曲げています。
しかし、「打起し」の形にはそれなりの意味があるので、考察しておきたいと思います。
<仮説>
正しい「打起し」によって、ムダ無く「会」を創ることができる。
<検証>
正面打起しについてのみの検証です。
(1)弓構えにおいて、円相の形をとる(両肘を曲げる)ということは、自然に両肘の回内を整えるという機能があります。※30.押し肘の回内はなぜ必要か?参照
弓構えの形(弓道教本 第一巻より)
腕をまっすぐ伸ばしていると、(骨格上)回内はできないのです。(上図のように肘を曲げた場合と伸ばした場合で、やってみるとすぐ解ると思います)
また、円相の形をとると、押し手(弓手)の手の内と弓の十文字、取り懸けと弦の十文字を保つこともできます。肘を伸ばしたままでは、(骨格上)十文字(直角)は出しづらく、ベタ押しやたぐりになり易いのです。
(2)円相の形をとった(両肘を曲げた)まま「打起し」を行うことによって、肘の回内、手の内の十文字③と取り懸けの十文字④を保ったまま、弓を垂直に保持して行くことが出来ます。
肘を伸ばしたままの「バンザイ」打起しでは、肘の回内、手の内と取り懸けの十文字(直角)は(骨格上)保持することが難しく、崩れるのです。
(3)円相の形を保ったままの「打起し」からは、最短の軌跡・最少の力でムダなく大三に移行することが出来ます。
押し手(弓手)は、肘から先で弓を押し出し始める①のに対して、肘を伸ばした「バンザイ」の状態では腕全体で弓を押し出し始めないといけない②ので、必要な力はほぼ倍になっています。しかも、肘の回内もさせながらという複雑な運動になってしまいます。
勝手(馬手)は、右肘①'と右肩①''を押し上げる「ふところを大きくとる位」(右肘①'と右肩①''を押し上げ、右肩関節を背中側に移す動きをこう教わりました)を行うことが出来ます。
この位置から押し上げた右肩を右肘と同時に下げるように引き分けることによって、勝手(馬手)の肘は肩から後ろに入れるようになります。肘を伸ばした「バンザイ」の状態からでは、「ふところを大きくとる位」が取れないので、勝手(馬手)の肘は肩から前にしか入りません。(骨格上、肩を上げずに右肘を押し上げることはできません。大三で肩を上げないように指導する人もいますが、会で右肘を後ろに入れることが難しくなります。)
このように、物理的にみればけっこう単純な理屈なのに、その理屈を教わる機会はなかなか持てません。それに気付くか身につくかは、鍛錬として委ねられます。しかし、正しい射形には、その形に意味があります。ダンスを踊るときのポーズのように捉えても良いので、正しい形にはこだわってください。
「バンザイ」打起しは、美しさも感じられないし、ムダだらけです。
射形を意識しながら、打起し〜大三〜会までを引いた動画です。参考にしてください。
特に、大三のときの勝手(馬手)の「ふところを大きくとる位」の取り方は重要です。
大三〜引き分けは、押し手(弓手)から始動するようにしましょう。このことが、会〜離れの力のバランスにも影響します。
<まとめ>
肩や肘の上がり下がり、手の内の整いなど、細かいことはあまり気にせずに、教本にある射法八節図解の形をカッコ良いダンスとして捉え、正しいポーズにこだわって一射を引いてみてはいかがでしょうか?
動作するとき、自分の呼吸に合わせると、自然なリズムとなるでしょう。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
7月のベストな的中です。
稽古を続ける中で無意識でやれている技(力の働かせ方)があります。
意識しなくても出来ているものなので、やれているうちは良いのですが、急にやれなくなってしまったときに、それがスランプの原因になって、的中しなくなってしまいます。
本人は意識していないのですから、なぜ、的中しなくなってしまったのか、全くわからない状況になります。
なので、弓道の的中(射技)の物理的考察では、なぜ的中するのか?なぜ的中しないのか?を、できるだけ明らかにしていくことには意味があると思います。
これまで、取り懸けの中で弦に直接触れている親指の働かせ方を主に検証してきましたが、取り懸けを構成する上で欠くことができない中指(三つ弽の場合)の働きについても、今後、検証していきたいと考えています。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
6月のベストな的中です。
離れが起こるメカニズムを明確化したことで、会で実現したい状態の目標を持つことができたことが、少しは実を結んでくれたようです。こんな的中が実現できるのですから、少しは老体の主張を参考にしてみてもいいかと思います。
的中に悩める人の希望になり得るかもしれません。
今年の夏も暑くなりそうです。
今年は、デニムの扇子(倉敷で買った)を味方につけました。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
5月のベストな的中です。
いつの間にか私も65歳になっていました。
色々なスポーツがある中でも、弓道は、あまり体力と運動神経を問われないので、歳をとっても楽しめます。正しい理屈を理解して引けば、的中との仲は引き裂かれないようです。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
63.離れの起こるメカニズムを考察してみる
「会は、離れを生むためにある」
離れを起こすことに向き合う時間、それが会である。とすると、どのように離れは生まれるのでしょうか?
<仮説>
離れが起こるメカニズムがある
<検証>
さて、射法八節図解には、「両肩の線を矢に近づける」と表記されていますが、実際には口割りで矢を押し出してしまうため、物理的には「両肩の線を矢に近づける」ことは不可能です。なので、「両肩の線を矢に近づける」方向に力を働かせると言うふうに解釈すると、会での力のかけ方(ベクトル≒張り)が解ってきます。
これは、58.的中率をさらに上げるためにやれること〜(アップデート)で説明した「会四節」の「4.引きつけ」にあたります。
では、「会」の理解のために、その上腕の「引きつけ」がどう作用して離れを起こすのか、メカニズムを考えてみましょう。
上図に示すように、
これが、物理的にみえた「離れ」のメカニズムです。
したがって、上腕の「引きつけ」の力①が欠けても、弦を押し出す力②のどちらかが欠けても会のままの状態の「離れ」は生まれにくくなり、矢所はばらつきます。
<まとめ>
くどいようですが、
残念ながら、物理的にみると、的中するかどうかの90%以上(ほぼ100%)は離れをどのように迎えるかだけで決まります。
<参考>
54.「角見で押して離れる」という弓道の謎
会のまま離れることで、的中は実現するのですから、早気であっても的中は出せます。しかし、離れが起こるメカニズムを理解することで、「会四節」を取り入れて、離れを生むための会に取り組むようにしてみてはいかがでしょうか?安定した的中が得られると思います。
早気の人は、すぐに直ると思います。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
4月のベストな的中です。
先月の結果が良過ぎたので、この結果でも物足りなさを感じるのは贅沢でしょうか。でも、次への励みにはなります。
最近は、このアングルでビデオorスロービデオを撮影して、自分の射技の評価をしています。離れの際の矢のブレや押し手・勝手などの手の内の働きも見えるので、最も評価しやすいアングルだと思います。何より他の人に迷惑をかけることがほとんどありません。スマホは最大限に活用しましょう。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
62.早気の人への親切なアドバイス
早気の人は、自分では気付いていないかもしれないので、率直な私の意見を言わせていただきます。
例えば、昇段審査では、
射法八節が理解され実践できているかが評価されるわけです。早気で臨むということは、会を理解して実践できていないことを、実証してしまっていることにお気づきでしょうか。
審査でなくても、普段の練習においても、本人はまったく意識してないとは思いますが、「自分は会を理解できていません」と体現しているとしか、私には見えないのです。
私は、早気には成れません。(もたれにも成れません。)
「会」の意味を、私なりに理解してしまったので、意味があるものを、決して省くことはできないのです。
<仮説>
早気の根本原因は、単なる「思考停止」である。(もたれも同様)
<検証>
大三で離す人は、ほぼいないでしょう。(暴発を除いて)
なぜなら、決して大三では離してはいけないと、誰もが理解しているからです。
しかし、会のない早気の人は、少なくもなく存在しています。
なぜなら、会で早く離してはいけないと思いつつも、反射的に早く離しても「テヘへっ早かった?」ととぼけていれば許されるというような深層心理を持っているからなのでしょう。本当にいけないことだとは思っていないし、会で何をやるべきなのかを理解してないし、理解しようともしていない。つまり、思考停止状態になっているのです。
例えば、3秒以上持てなければ、罰を与えるようにすれば、罰を受けるのが嫌なので、時間間隔的には持てるようになるでしょう。しかし、ただ持っているだけという意味のない会になります。これも、ある意味、思考停止になっています。
(これは、大学時代の部活で早気の人たちを治すためにやったことなのですが、試合の緊張感の中では間合いを持たせてくれるので、ある程度の効果を発揮してくれました)
やはり、
意味のある「会」にするためには、「会」が何のためにあるのかを理解して、実践するほうが合理的です。
弓道教本 第1巻 射法八節図解には、以下のように記されています。
「会」
心身を合一して発射の機を熟せしむ
胸は息を詰めず、らくに腹の力が八分九分に詰まった時が離れである
「離れ」
胸郭を広く開き矢を発せしむ。
上下左右に十分伸び合い気力丹田に八九分詰りたる時気合の発動により矢を発する。
この文章をどのように理解すれば良いのか、理系脳の私にはよく解りません。
文字通りに受け止めると、以下のようにも読めます。
「会」:心と身体で離すタイミングを熟成する。腹の力を八分九分に詰めたところが離すタイミングです。
「離れ」:胸の骨格を広く開いて矢を離す。上下左右に十分伸び合って、気力を丹田に八九分詰めたタイミングで、気合で矢を離しましょう。
このように、会は矢を離すタイミングをとるためにある、としか読めないような記述になっているように思えて、会の内容を理解できない人ができてもいたしかたないように思えてきます。
「会は、離れを生むためにある」
と私は理解しているので、会の中では、離れを出すためにできることを尽くします。(以前、わかりやすいように、会四節として提案させていただきました)
<参照>58.的中率をさらに上げるためにやれること〜(アップデート)
<まとめ>
残念ながら、物理的にみると、的中するかどうかの90%以上(ほぼ100%)は離れをどのように迎えるかだけで決まります。
<参考>
会のまま離れることで、的中は実現するのですから、早気であっても的中は出せます。しかし、会から離れにおいて全力を尽くしてない早気の方の射は、私が見ても、あんこの入っていないあんぱんにしか見えません。つまり、肝心な味が感じられないのです。非常に残念に思います。(まれに、味わいのある早気の方もいるのですが・・・)
みなさんなりの会の理解によって、みなさんなりの味のある「会」を生み出しては、いかがでしょうか・・・。そこに、射技の本質があるように思います。
早気を直す唯一の方法は、
「会」の意味を考え、理解しようとすることだけだと考えます。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
3月のベストな的中です。これは、今年のベストとなり得るレベルです。
2〜3年に1度、出せるかどうかの皆中です。
いつもより、会の安定(矢の澄み)を意識して引いた結果が出せたようです。
おかげで、背筋が筋肉痛になるようになりました・・・。
2017年
2013年に弓道を再開、2017年にこのような、奇跡的な皆中を出せたのが、弓道の的中(射技)の物理的考察を始めたキッカケになったように思います。
2020年
2023年
今もこのような的中を目標にイメージして、稽古を楽しんでいます。
的芯を狙って、的芯を外せば、まだ的の中。となりたいですね・・・。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。
※「ベストな的中シリーズ」は「弓道の的中(射技)の物理的考察」の検証結果です。
2月のベストな的中。
先月、久々に、大学弓道部のOB会がありました。
タイムリープしたような時間を過ごせたせいか、気持ちだけが若返っただけでも、的中が増えてきたように感じています。この感じが長く続けば良いのですが・・・。
その影響か、筈打ちが、続けて出てしまいました。
的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。