私は5年ほど前に学生時代にやっていた弓道を再開しました。
五十肩になったのがきっかけで、何か運動をせねばとふと思い、たしなみのあった弓道をまた始める事にしました。
現役当時(@伊勢神宮弓道場)始めて2年目
35年ほど前に買った道具(弓、矢、カケ、道着)が健在だったのですが、さすがに現役時代に使っていた17.5kgの弓をいきなり引けはしないだろうと、近くの弓具店で15kgの弓と既製品のカケを買って、市の弓道場で自主練を開始しました。
しかし、50歳過ぎの老体ではありますが、体は一度覚えたことをなかなか忘れていないようで、数ヶ月もしないうちに17.5kgの弓をなんとか引きこなせるまで復活できました。やはり新しいカケにはなかなか慣れず、古いカケの破れを治しつつ使わざるを得ませんでした。「かけがえのないもの」を実感しました。
再開当初
歳を重ね勘は鈍りましたが、体型が変わっていないことだけは私の自慢です。再開当初のベスト的中はこんな感じです。
やらせではありません
現役当時は試合に勝つことがすべてで何も考えずに練習に励んでいましたが、勘も鈍り、思うような弓が引けてない今、何か確信だけは得たいと思い、工学系頭の私は、正射必中への物理的アプローチを始めようと思い立った訳です。そして、私が立てた仮説は以下のようなものです。
※的中に最も重要なのは、「馬手(めて)(勝手)の手の内とその働かせ方」である。
※弓手(ゆんで)(押し手)はさほど重要ではない。的付けどおりに真っ直ぐに押せてさえすれば充分である。
※そもそも、人は同時に左右別々の動きをするのは苦手である。勝手をうまく働かせれば、同期した反射運動として押し手も働く。
※的(押し手)ばかりにとらわれず、正しい方法で勝手を働かせることが、正射必中への道である。
この仮説を検証したことを、次回以降に説明していきたいと思います。
弓道は中らない、上手くなれないとよく言われますが、ちゃんと理屈を理解して引けば、悲観するほど上手くなれない訳ではありません。
剛弓を好んで引いていた昔からの既成概念は、さほど強い弓を引かなくなった今では違和感を感じることが多々あるように思います。
この老体の経験が、なかなか指導者に恵まれなくて先輩の指導に頼るしかない(私もそうでしたが)多くの部活学生の皆さんの参考になればと思います。
教本に書いてない(書けない)事実を批判覚悟で、より具体的に説明していきますので・・・。
次回は、はじめに を予定しています。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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