取り掛けを解くためには、弦捻りが不可欠です。
このことは、11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかで物理的に検証しました。クロスさせた親指と中指を指の弾きだけの力で解くことはで出来ません。弦捻りを加えることで簡単に解くことが出来るようになります。
捻るということは、回転モーメントをかけるということなので、その力の中心をどこにするかを明確にする必要があります。
<仮説15>
弦捻りの中心は、矢軸中心か親指の弦枕中心か?
<検証>
弦は弦枕の位置にあります。弦枕のある親指の位置が動くと矢の方向は狙いからズレます。弦がズレなければ番えた矢もズレません。したがって、親指の弦枕中心が正解です。
親指を弦捻りの中心にするには、親指と勝手の腕を真っ直ぐにして中心軸を一致させる必要があります。手繰って手首が折れると軸が曲がるので、親指を中心にして捻ることが出来ません。
また、親指と腕を真っ直ぐにしていくことは、押し手と全く同じことをしています。7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~や10.会での勝手の手の内を考えるで説明してるように、押し手と勝手は異なる形はしていても同様な力のかけ方をしていることが重要なポイントになります。
あれこれと考えて、器用に押し手と勝手に違った力のかけ方をやらせて中ててやろうとしても、審査や試合などで緊張したときには再現できずに失敗してしまします。このことは自分の実体験でもありますし、それが普通の人間の性質なのですからしかたありません。(中には器用なことができる人もいるようですが・・・)
<まとめ>
弦捻りの中心は、腕と真っ直ぐにして親指を中心にするべきです。
これは、押し手と同様な作用を働かせることになり、同期した離れを生むことになります。そして、その中心軸に沿って親指を真っ直ぐに抜いて離れていくには、肩を中心に肘で引くべきなのです。
次回は、カケ解きはどのように作用させればいいの?を予定します。的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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