12.ABS材料の反りとの戦い
3Dプリンタを使ってPLA材料で作ったスマホスタンドは夏の暑さで変形してしまいました。クルマの室内温度はきびし過ぎた。
熱に強いABS材料で、悪戦苦闘しながらも作り変えました。来年の夏はこれでチャレンジです。
ABS材料でプリントアウトすると熱収縮が大きいので作製中に反りが出て、材料が詰まってしまったり、プリントアウト中にワークがベッドから外れてしまいます。こんな感じです。
反りが出ると、ノズルとワークとのクリアランスが無くなり材料が出なくなって、材料の送り出しローラーの部分で折れて詰まってしまいます。
ABS材料は柔らかいので、ローラーに挟まれた力で潰れて平たくなることと、ノズルのクリアランス不足で材料が出なくなり、ローラーがスベって材料を削って薄くなることも原因になっています。
そこで、ローラーの押し当て解除レバーの部分に詰め物をして、強く当たらないようにすると、これが見事に効果を発揮!
早速、材料が潰れないようにするためのスペーサーを作製して、材料の潰れ過ぎと削れを一挙に解決することができました。いい感じです。
次は、ベッドから外れるほどの反りにはどう対処するべきかを考えます。
まず、ベッドとの粘着力を上げるため、清掃がし易い水性のりから、90℃のベッドの温度でも粘着力が維持出来るように、薄い両面テープを貼ることに変えて試してみました。
スプレー糊も使っていましたが、周囲まで飛び散って清掃が大変だし、3Dスキャナのセンサー部分も汚れてしまい、まったくNGです。
両面テープは丸めて剥がせるので、悪くないです。
でも、綺麗に隙間なく貼らないと縞模様が転写されてしまいます。
がしかし、
両面テープでも反りには勝てず、プリント中にワークが外れてしまいました。
次の手としては、そもそも反りが出ないように出来ないかと、形状を工夫してみることにしてみました。
①接着力を上げるため、底面を広げます。
②収縮を逃がすため、途中にスリットを入れます。
③強度が落ちないように、材料の充填率を上げてプリントアウトします。
これでやっと反りが小さくなって、プリントアウト出来るようになりました。
もっと長いサイズの部品では、さらに形状の工夫が必要になります。
右側の形状から左側の形状まで、3回も肉抜き形状を変更して、やっとベッドから外れずにプリントアウト出来るようになりました。
複雑な形状のホルダーの部分は、思い切って形状をシンプルに変更しました。
さっそく変形したPLA材料で作った物と取り換えます。
黒色にしたので、まったく違和感が無くなりました。
ABS材料製のスマホスタンドの完成です。
iPad版のスタンドも作ってみました。
この歳になると小さいディスプレイでは見えづらくなりますからね。
いちから作るのではなく、既製品のスタンドの一部分を使ってフィットさせます。前に買っていて使えなくなっていたものの再利用です。
既製品は使えそうでイマイチ使えないものが多いですよね。
分解して必要な部分だけを使います。
3Dプリンタを使ってアタッチメント部分をカスタマイズすれば、こんな感じにフィット出来ます。着脱式です。
テーブルの上でも充分活用できます。なんか得した気分です。
<まとめ>
今回の悪戦苦闘で学習したことは、
ABS材料のプリントアウトには、形状の工夫が最も有効と言うことでした。
なんとなく、達成感!
次回は、13.歯車を作るを予定します。
3Dプリンタを使いこなすために、またのお越しをお待ちしています。
3Dプリンタと遊ぶ
もくじ
1.お買い物
2.お試し
3.何に使おうか?
4.我が家の困ったを解決
5.友人の困ったを解決
6.友人の困ったを解決続編
7.材料を楽しんでみる編
8.3Dプリンタが壊れた
9.イラストや画像を形にしてみる
10.レーザー刻印にトライ
11.3Dスキャナにもトライ
12.ABS材料の反りとの戦い
13.歯車を作る
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