弦捻りを効かせることに懐疑的な人もいると思います。それはおそらく、下の写真①のような残身になってしまうことをイメージしているか、ちょっとやってみて、①のようになってしまって諦めてしまったかと思います。しかし、それは、誤解であるし、やり方が間違っているからなので、そのことを今回は検証して行きます。
<仮説19>
弦捻りの誤解
<検証>
弦捻りを効かせると、残身で親指が①のように下になり手の甲が上になるのではないか、と誤解している方がいるかもしれません(初心者に多いのですが)。このような残身となるのは、手首を捻って離すか、離れた後に手首を捻る動作をやって作るからであって、決して取り懸けを解いて離れた残身ではありません。
弦捻りを効かせて取り懸けを解いて離れるという現象が起きたときは、②のように親指が上にくる残身になります。
弦捻りを効かせて取り懸けを解いて離れた瞬間、取り懸けは弦捻り方向に回りきり親指は下を向きます。そしてこの状態から腕を開いていくと、手よりも斜め下にある肘を中心に傾斜した円弧を描くので、人の骨格の軌跡上、残身位置では、必ず親指が上にくるのです。
<まとめ>
手首を捻って離すか、離れた後に手首を捻る動作をやると腕が開く間も手首を捻る動作をやりつづけるので、①のような作った残身になります。これは取り懸けを解く弦捻りではなく、離すときまたは離した後に手首を捻ると言う動作にほかなりません。決して誤解しないでください。
次回は、勝手の中指で親指の腹を押し出すについてを予定します。的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。

1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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