さてここで振り返ってみましょう。
物理的に見れば、的中は「的付け通りに矢を飛ばす」ことでしか実現は出来ません。「的付け通りに矢を飛ばす」ために不可欠な条件は、
①正しい的付けが出来ていること
②押し手の親指と勝手の親指が動かない状態で離れの瞬間を迎えること
なのです。
(3.的中について参照)
押し手の親指と勝手の親指が動かない状態で離れの瞬間を迎えるためには、自分で離す動作をするのでは無く、カケ解きによって取り懸けを解いて離れることが最も簡単な方法であることです。(下記リンク参照)7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
カケ解きの方法は難しい技でも何でもなく、そのメカニズムを理解すれば誰にでも出来ることで、少し練習すれば補助輪を外して自転車が乗れるようになるのと同じくらいのことなのです。(下記リンク参照)
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
したがって、取り懸けを解いて離れることが出来ているかいないかは、その方法を知っているかいないか、そして、それをやろうとするかしないか、そのようなことになります。
さらに、取り懸けを解く離れは、会での張り合いによって必ず起こることなので、早気やもたれなどと言ったものとはまったく無縁になります。
ちなみに、早気やもたれを射癖と言いますが、会を引き分けのゴールと考えていることや離れを反射運動で出すものだと誤解しているために起こる勘違いだと私は思います。
離れは自分でやるものではありませんが、会がなければ起こらないことですし、自分でコントロールはできるものなのです。(これらのことはこれまでの説明で物理的に検証済みです)
離れはカケ解きの力を作用させた先に起こる物理現象であることをしっかりと理解しておきましょう。
今回は、カケ解きのもう少し細かい具体的な方法を検証してみます。
<仮説17>カケ解きはどのように作用させればいいのか?
<検証>
離れに導くにはカケ解きの力を作用させることが必要です。何もしないで引っ張っているだけでは離れが起きるわけもなく、離れが起きないから故意にしろ反射運動にしろ結局自分で離すということになるのです。
カケ解きの作用のメカニズムを表すと下図のようになります。
左側は、引き分けで暴発しないように中指で親指を押さえ、親指は中指に密着させている時の力の方向を表しています。この時、弦捻りは弦枕に弦を密着させていてやはり暴発を防いでいます。
会に入って詰め合いが完了した後、張り合いと同時に暴発しないようにロックしていた力の方向を変えながら弦捻りをかけていく状態が中央になります。このとき、中指は親指の爪側を押さえている方向ではなく、親指の横腹側を押し出す方向に変化させていくようにします。親指はこの力の反作用としてかけていくようにします。
張り合いと、取り掛けの指の力の方向変換と、弦捻りとが合わさって、中指と親指の静止状態が臨界を超えて取り懸けが解け離れが起きます。(右側)
つまり、カケ解きは物理的に言うと、暴発を防ぐロック状態から取り懸けが解ける状態にする力の方向変換ということになります。力の強さを変えていくことではありません。(力んだり緩めたりはしないということ)
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかで説明したように、カケ解きのメカニズムはペンを使って簡単に検証することができるのです。
そして、補助輪を外して自転車に乗るときの練習のように、実際に弓を引いてカケ解きの作用をできるようにしていけば身につけることができるのです。
最初は目一杯意識しないとなかなかできるようにはなりませんが、意識しなくてもできるようになれば、残身の味わいも変わってくるはずです。そして、矢所のブレも小さくなり、的中とも仲良くなることができるようになるでしょう。(ブレが小さくならない場合は作用のかけ方が焦燥なのです)
カケ解きのメカニズムも解明でき、幸い3Dプリンタも使えるので、カケ解きが練習できるもの「カケホド規」を作ることにも成功しました。
ゴム弓は離れない!~カケホド規の誕生~
「カケホド規」については、もう少し検証を行った後に、紹介したいと思います。
ここで振り返ったことが、皆さんの上達に役に立てば幸いです。
次回は、既製のカケは親指で選ぶを予定します。的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。

会に入って詰め合いが完了した後、張り合いと同時に暴発しないようにロックしていた力の方向を変えながら弦捻りをかけていく状態が中央になります。このとき、中指は親指の爪側を押さえている方向ではなく、親指の横腹側を押し出す方向に変化させていくようにします。親指はこの力の反作用としてかけていくようにします。
張り合いと、取り掛けの指の力の方向変換と、弦捻りとが合わさって、中指と親指の静止状態が臨界を超えて取り懸けが解け離れが起きます。(右側)
つまり、カケ解きは物理的に言うと、暴発を防ぐロック状態から取り懸けが解ける状態にする力の方向変換ということになります。力の強さを変えていくことではありません。(力んだり緩めたりはしないということ)
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかで説明したように、カケ解きのメカニズムはペンを使って簡単に検証することができるのです。
そして、補助輪を外して自転車に乗るときの練習のように、実際に弓を引いてカケ解きの作用をできるようにしていけば身につけることができるのです。
最初は目一杯意識しないとなかなかできるようにはなりませんが、意識しなくてもできるようになれば、残身の味わいも変わってくるはずです。そして、矢所のブレも小さくなり、的中とも仲良くなることができるようになるでしょう。(ブレが小さくならない場合は作用のかけ方が焦燥なのです)
カケ解きのメカニズムも解明でき、幸い3Dプリンタも使えるので、カケ解きが練習できるもの「カケホド規」を作ることにも成功しました。
ゴム弓は離れない!~カケホド規の誕生~
「カケホド規」については、もう少し検証を行った後に、紹介したいと思います。
ここで振り返ったことが、皆さんの上達に役に立てば幸いです。
次回は、既製のカケは親指で選ぶを予定します。的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。

1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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