58←52.的中率をさらに上げるためにやれること(アップデート)
(「52.的中率をさらに上げるためにやれること」を検証後、さらに精度を高めようとすると、提案した会四節の順番を変えたほうがうまくいくことが確認されたので、今回、アップデートすることにしました。)
32.的中率を上げるためにやれることの説明から3年が経ちました。
①胸弦をしっかり付けて、弓を安定させ弓をしっかりと引き付けること。
②両肘で矢軸線方向に張り、会のままの離れを導く努力をすること。
この2つを意識して、精度高く引くことです。特に②は必須です。
肘の張りで離れている的中
と説明しましたが、皆さんは、身に付けることができたでしょうか?
上記が身についていれば、50%以上の的中は出せるようになっていることでしょう。
そうでない場合には、もう一度、取り懸けと懸け解きを復習してみることをお勧めします。
ここからさらに的中率を上げるには・・・、
常識的な人は、「射技の向上を目指すことである」とでも説くのでしょうか。
しかし、物理的にみると、射技の上達はしなくても、
”的中している時の射をどれだけ再現し繰り返せるようになるか”
ということに尽きます。
弓道を始めて数年でも、9割以上の的中が出せる人の存在が、このことをすでに証明しています。
<仮説>
的中率をさらに上げるには、自らのルーティンとその目標を持つこと。
<検証>
さて今回も、結論から説明します。
的中率をさらに上げるためには、
①(射法八節)+会四節
②弦捻りのルーティン
上記2つの実行を提案します。
弓道のルーティンといえば基本的に射法八節ですが、最も大切なのは会です。このことは、誰もが認識していることだと思います。
しかし、
経験の浅い多くの人は早気です。
引き分けて会に入るや否や、的付けが付くや否やで離してしまっている人が多い。
その原因は、会の意味が理解されていないことによるものと推察します。
意味がないものは省かれる。それは必然でしょう。
会の意味が、気合の充実と説明してみても、とにかく解り難い。
なので、物理的にみた4つの節を会の中に置くことを、私は提案します。
①会四節
1.ねらい
↓2.弦押し(勝手(馬手)の手の内の形と力の方向を整える)←捻り
↓↓3.捻り(親指中心にゆっくりと)←押し
↓↓↓4.引付け
1.ねらい
的付けとほお付けを整え、さらに、矢軸線方向に張りの方向を合わせることです。
38.的中のための本当のねらいとはで説明したように、的付けとほお付けだけでは狙いは整いません。
2←3.弦押し(勝手(馬手)の手の内の形と力の方向を整える)
大三〜引き分けまでは暴発しないように、弽帽子を押さえ弦枕で弦を受け止めています。このままでは、手を開かなければ離せないのはあたりまえです。
ここで、初めて取り懸けが解けるように状態をシフトさせます。
具体的には、弦を受け止めていた弦枕で、今度は逆に、弦を前に押し出すように力を効かせ、取り懸けが薄くなるように絞るようにします。
このことは、
を参考にしてください。
<補足>
弦を前に押し出す感覚がわからないときは、指パッチンをするときの親指の第2関節(弦枕にあたる部分)の動きに注目してみるとよいでしょう。
懸け解きと指パッチンが異なる点は明確で、取り懸けは中指で親指を上から押さえる形になっているので、解くために弦捻りの力の利用を必要とする点です。
親指の第2関節部の動きは、親指を反らす場合とほぼ等しくなっていることも確認して納得しておくといいでしょう。(親指を反らすと残身で手が開いてしまいますが、親指の弦枕で弦を押していく方法では手は開きません)
押す力の強さは、各自の研究課題です。会の中でゆっくりと強めていくことで、感じ取ってください。弽帽子が逆に反りそうなくらいを目指すと良いでしょう。
親指で弦枕を押す→弦枕で弦を押す→弦は人差し指を押す→人差し指は中指を押す→取り懸けが解けるということになるので、決して握り込みにはなりません。
3←2.弦捻り(親指中心にゆっくりと持続)
引き分けるとともに増加してきた弓力に合わせて強めてきた弦捻りの力の方向(ベクトル)を確認します(肘の張り利用して)。そうして、親指と中指が滑り出しそうになるレベルであることを感じます。
4.引付け
会の長さに慣れていないと、1〜3節まで進めてくる間に弓の引付けが甘くなってしまいます。それを克服するために、1〜3節を保ちながら両肘の張りで、再度、弓を引付けます。(射法八節図解には、「両肩の線を矢に近づける」と表記されています)
射法八節では、各節でそれぞれの動作を行いますが、会四節では、それぞれの動作を重ねていかなければならないということを、絶対に忘れないでください。
会四節は、決して力む訳ではありません。力をかけている方向(ベクトル)を確認することと理解してください。
会四節は、かなり意識して行っても、外見からはまったく見えない動作になっています。(21.会では見えない動作がある?参照)
(「”離れ”を意識するから離すようになる」と当時は教わりました)
会四節に不可欠な前準備のルーティンになります。次回に説明します。
<まとめ>
会四節の「2←3.弦押し」は、49.取り懸けをミクロに考察してみるにも書きましたように、
もしかすると、
私たちがよく耳にする「角見で押して離れる」と言う表現は、このことを言っているのかも知れませんし、ただ、私たちが、勝手に、押し手のことと勘違いしているだけなのかも知れません。敵には明かせない手の内も、押し手のことではなく勝手の取り懸けにあるのではないでしょうか・・・
の信憑性が高まることにも繋がっているように思います。
会四節の提案が、皆さんの射技の上達・的中率の向上に役立てば幸いに思います。
会が無い、早気を治しなさい、と注意されても、会がどんなものなのかをちゃんと定義してもらわなければ治せるわけはないでしょう、と早気の人を見るたびに思ってしまいます。
次回は、弦捻りのルーティンを予定します。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
4.離れについて
5.手を開いて(緩めて)離すことの弊害について(的中、上達を妨げるもの)
6.詰め合いについて
7ー1.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー2.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー3.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~
8.伸び合いについて
9.会のままの残身について
10.会での勝手の手の内を考える
11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くか
12.取り懸けで親指を押える位置は?
13.押し手の手の内を作るとき、角見の皮を巻き込む?
14.「離す」と「離れる」はどう違う?
15.胸弦の活用
16.弓道の離れとアーチェリーのリリースとの比較
17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件
18.細かい話にはなりますが
19.弦捻りをかけると離れで弦枕が引っかからないか?
20.中りに重要なのは押し手ではないのか?
21.会では見えない動作がある?
22.残身まで開く力αはどれだけ大きくできるのか?
23.集中力、モチベーションを下げない練習方法ってないの?
24.弦捻りの中心は、矢軸か親指の弦枕か?
25.カケ解きはどのように作用させればいいの?
26.既製のカケは親指で選ぶ
27.弦捻りの誤解
28.勝手の中指で親指の腹を押し出すについて
37.的中を維持するには、お風呂でエクササイズという手がある
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