42.「矢に学ぶ」②矢筋にのせる
新型コロナ対応の緊急事態宣言が解除となり、2ヶ月ぶりに弓の稽古ができるようになりました。筋力の衰えは著しく、普段使っている18kg並の弓はまともに引けなかった〜物理的に言えば、会での張りを離れるまで保てない〜ので、弓道を再開するときに買った16kg伸をしばらくはリハビリ弓として使っていくことにしました。
こういう時こそ、基本にもどる、いい機会だととらえたいと思います。
このような場合こそ、「矢に学ぶ」という考え方は、非常に参考になると思います。
「矢に学ぶ」
①矢を分ける
②矢筋にのせる(今回)
③矢押し
④矢引き
⑤矢の離れ口
⑥矢妻をとる
⑦矢になる
昔の考え方なので、今では違和感があるところもありますが、今回も原文のまま紹介したいと思います。
「矢に学ぶ」(原文)
S59.10.25
②矢筋にのせる
会にはいった矢は矢乗りが正しく、矢筋回りに離れて行けば必ず的中します。折角矢筋に乗っていても離れる瞬間に矢筋回りの方向に崩れが出ますと全然当たりません。
例えば、離れの瞬間に5mmの矢振れが出たとしますと5mm×28=14cm的芯から外れることになります。しかもその振れ方は前に上下と360度に散乱します。
矢筋に乗っているかどうかは、人の射を評価するとき、矢だけを見ていればよくわかります。矢が澄んで伸びていくうちに消えて行くなら最高の射であります。
矢筋の崩れは「押手」からも「勝手」からも起ります。「頬付け」一つでも不用意にしますと、矢口があいて乱れます。矢はこのように非常に敏感に反応しますので、「矢筋に乗せる」という慎当な心構えは絶対に取り落としてはなりません。
ここでのポイントは、以前にも具体的、物理的に説明してきました。
7ー4.張り合いについて~取り懸けを解いて離れる方法~

17.正射必中に必要な幾何学的な必須条件

32.的中率を上げるためにやれること
➡︎
38.的中のための本当のねらいとは
40.的中は矢から学べ

会では、矢の軸線上に張りの方向を合わせて真っ直ぐに離れること、「矢の澄み」が大切であることを教えてくれています。的中に最も相関が高いポイントなのです。(射技の中では、張り技と呼ぶものの一つということなのでしょう)
<まとめ>
会において最も大切なことは、矢の軸線上に張りの方向を合わせて真っ直ぐに離れる努力をすることなのです。
自分の射を動画に撮って、自己診断できるようになることも大切です。
次回は、「矢に学ぶ」③矢押し を予定します。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
がんばれ!
