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2023年6月17日土曜日

◎弓道の的中(射技)の物理的考察〜「角見で押して離れる」という弓道の謎〜

54.「角見で押して離れる」という弓道の謎


弓道を始めると、ほとんどの人は押し手の「角見で押して離れる」と教わると思います。私もそうでした。


しかし、勝手で弦をつかんでいるのに、押し手の角見で押して離れるという矛盾に最初は疑問を持つものの、いつの間にかその矛盾を受け入れてしまい、自分も後輩には、当然、そのように指導するようになっていました。

そして、押し手の角見で弓を押しながら勝手を開いて離すという動作を身につけて納得してしまいます。タイミングが合っているうちはこれでも良く中ります。


このような中りを「まぐれ中り」と呼び、当時の教え魔な先生は、未熟な私たちを戒めていました。やっと最近になってその意味がわかるようになってきました。(当時は、中っているのになぜいけないのかが解りようも無かったのですが)


筋力が増したり、弓力を上げたり、弽を替えたり、試合や審査の緊張が加わったりすると離すタイミングが変わって、途端に中らなくなります。


ここに、「弓道は中らない」の原点があるように思うのです。


角見で押しながら勝手で弦を離すであれば、物理的に説明はできていますが、「角見で押して離れる」これは物理的には説明ができていません。しかし、弓道では最も一般的な既成概念なのです。



<仮説>

「角見で押して離れる」は、勝手(馬手)のこと?



<検証>

敵に明かしてはいけない手の内とは?

敵には明かせないのですから、誰もが知るような一般的なことにはなっていない筈です。


うがった見方をすれば、間違ったことを明かしていれば、敵に本当の手の内を明かさなくてもいいわけです。いや、間違ったことではなくて、ただ私たちが勝手に押し手のことだと誤解して、そう思い込んでいるだけなのかもしれません。ほとんどの人がそう信じているのですから、大変な誤解です。


間違ったこと(または誤解)が既成概念になっていたら、「弓道は中らない」が常識となっても当然なのでしょう。


その敵は、しめたものだとほくそ笑んでいるかも知れません。奇跡的に中るようになったひと握りの人が優越感に浸れる環境が整うわけです。(敵が誰なのかは解りませんが…習う側でないのは確かです)


既成概念も物理的な検証を加えれば、矛盾は解けます。


では、物理的に説明できる離れ方とは?どのようになれば良いのでしょうか。


49.取り懸けをミクロに考察してみる

50.取り懸けをミクロに考察してみる(大切な補足編)

において、取り懸けを解いて離れるときの力の作用のさせ方を、以下のように説明してきました。


取り懸けを解いてブレの少ない離れを実現するためには、

①弦捻りをかける。

  (取り懸けをこじ開けるように働かせる)

②弦枕で弦を押し出す。

  +親指を前に押し出す方向に力を働かせ、親指と中指の接点の臨界を創り出す。

会で、この2点を実行するのみです。

もしかすると、

私たちがよく耳にする「角見で押して離れる」と言う表現は、このことを言っているのかも知れませんし、ただ、私たちが、勝手に、押し手のことと勘違いしているだけなのかも知れません。敵には明かせない手の内も、押し手のことではなく勝手の取り懸けにあるのではないでしょうか・・・。

つまり、簡単に言うと、下図のAの方向に親指を真っ直ぐに伸ばしていけばいいという、実に単純な動作に収束してくるのです。

(「取り懸けの親指は反らすようにする」は既成概念ですが、残身で勝手が開くという弊害をもたらします。また、同様に押し手も開くようになります)

※親指は骨格で繋がっているので、親指を真っ直ぐのばしていく方向Aに力を働かせれば、方向Bにも力が働き、弦を押し出す合力Cが働くことになります。


これが、物理的に見た、会〜離れの取り懸け(勝手の手の内)を解く力のかけ方なのです。(前にも説明しましたが、あくまでもベクトル(力の方向)※であって、決して力むことではありません)


※ ベクトル(力の方向)≒ しなやか(ソフト)な力 ≠ 力み

 と表現した方が、実践しやすいかもしれません。


しかし、「角見で押して離れる」を実行して中る人もいます。


おそらく、人は左右別々のことをするのが苦手ですから、押し手でやっていることを無意識に勝手側でもやれている場合ではないかと推測します。これは、稀な例です。本人はそれを意識してはいないかも知れません。(私も現役最後の大会において約9割の的中が出せたのですが、なぜそれができたのかは全く意識してはいませんでした)


多くの人は、押し手の角見で弓を押しながら勝手を開いて離すという動作になるので、当然、引き離れになります。なので、矢口が開いたり、振り込んだり、勝手がズレたり、弦が引っ掛かりと、せっかく整えた的付けをズラして離すことになります。

結果的に、矢は的付けどおりには飛ばず、いくら練習をしても的を外れ、中ってはくれません。


ほとんどの人がこの引き離れとなっている。そして、最近の大離れ思考も引き離れの増大に悪影響を及ぼしているように推察します。(市営弓道場に自主練に来る人達のほとんどがそうなので、残念な限りです)


だから、「弓道は中らない」となってしまいます。でも、中る人がいる以上、「弓道は中らない」は真ではありません。


正しく引けば、弓道は中る。


一歩でも正射必中に近づけるものなら、理に叶った引き方を身に付けれるよう広めていきたいと思っています。


残念ながら、物理的にみると、的中するかどうかの90%以上(ほぼ100%)は離れをどのように迎えるかだけで決まります。


したがって、いかに丁寧に引き分けてきたところで、離れがダメなら中らない。

残念ながら、これは否定できない事実です。


会まではとても丁寧に引いているのに、早気で離してしまったり、引き離しになってしまっている人も多くいます。実にもったいない離し(話)なのです。


考え方を変えるだけで、現状の突破口は開けるでしょう。


他から見るとほんの些細な違いなのかもしれません。しかし、人と違ったことをするには勇気が必要になるかもしれません。このブログを読んだ人は、その入り口にいることは、確実なのです。


勝手のことばかりなので押し手が心配になる人もいるかもしれません。先にも説明したように、人は左右別々のことをするのが苦手ですから、勝手でやっていることは無意識に押し手でもやるようになりますから、心配はいらないのです。20.中りに重要なのは押し手ではないのか?も参考にしてください。


ついに、的中と仲良しになるための手の内を明かしてしまいました。



<まとめ>

取り懸けを解くには、勝手の弦枕で弦を押し出すように力をかけていけば良い。

実行するイメージとしては、会で勝手の親指を真っ直ぐに伸ばしていけばいいという、実に簡単な作用に収束します。


これは、押し手の角見で押していくという力のかけ方とほぼ同様なのが解ります。検証を進めると、弦を「角見で押して離れる」とすれば物理的に説明がつきます。


したがって、

「角見で押して離れる」は勝手(馬手)のことである可能性が高いという結論に至ります。


これを実行するだけで、約5割は中ってくるようになれるでしょう。そこから上は、いかに反復精度を高めれるかということに尽きます。


ただ気をつけないといけないのは、今までの引き離しが身に染み付いているので、弦を「角見で押して離れる」前に引き離してしまったり、ビクが来たりと、とにかく勝手が弦を離したがります。その反射運動をいかに抑えられるかが、新たな敵になることを認識しておくことです。




こんなことが起こるのですから、やってみない手はないと思います。



また、他には、「勝手(馬手)で離れるな」ということばもよく聞きます。

弦を取り懸けているのは勝手なので、物理的にみればまったくおかしいことばです。弓道の教え方は、昔から理屈を無視した既成概念が多いのです。それを信じて練習するのですから「弓道は中らない」は、永久に続いていくのでしょう。


約30年のブランク後に弓道を再開した私の目には、当時から進歩が感じられない現在の状況を憂慮することしかできませんが、今後、何かが変わっていくことを期待して、このブログを書いていきます。



次回は、「角見で押して離れる」という弓道の謎(補足編) を予定します。

的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。

解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。


がんばれ!&

2023年6月3日土曜日

◎5月のベストな的中

 5月のベストな的中です。

3年ぶりの会心の皆中が出ました。

2023年


望むから、その結果が実現できるのでしょう。

望まなければ、実現しようともしないのですから…。


2020年

2017年


ここに、弓道の的中(射技)の物理的考察のポテンシャルを示せたことは、これからの継続の糧になります。

弓道を始めたほとんどの人は、「押し手で押して離れる」と教わる。私もそうでした。しかし、若かりし頃の私も含めて、それを実行しようとした人の大半は中っていない。という事実を謙虚に受け止めることが、正射必中への入り口かもしれません。


的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。


がんばれ!&



2023年5月6日土曜日

◎4月のベストな的中

 4月のベストな的中です。


なぜ、ベストな的中シリーズをテーマに投稿し続けているのか。


弓道の的中(射技)の物理的考察で説明していることが、どこまでの継続的なポテンシャルを持っているのかを確認するためのデータ蓄積になればと思っています。


「継続は力なり」です。


がしかし、

当然、正しくないことを継続しても成果は得られないわけですから、その判断は自分がしなければならないということも認識していなければなりません。

「弓道は、中らない。」

常識のように言われますが、中る人が存在する以上、これは真ではありません。

(常識に反すると「中て射」と呼んでその存在を消す風潮も昔からあるのですが)


射癖を持っている人に話をきいてみると、あきらかに間違っていると思われる教わり方をしている人もいます。そういう人は、理屈抜きで疑うこともなくただそう信じているようです。


弓道もグローバル化されてきた今は、正しいことが正しい理屈でもっと共有されるようになって、

「弓道は、正しく引けば中る」≒ 「正射必中」

と言えるようになって欲しいものです。



的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。

(理屈に合わないことは書いてはいませんが、ここに書かれていることを疑ってみることも大切です)


がんばれ!&



2023年4月8日土曜日

◎3月のベストな的中

3月のベストな的中は、このくらいです。


「的中に大切なのは、押し手の手の内ではなく、勝手の手の内(取懸け)である」と実感ができるようになったら、このブログで説明している内容が素直に受け止められるようになると思います。


既成概念は上達の阻害要因になる可能性があるので、盲目的に信じないようにしましょう。



的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。


がんばれ!&


2023年3月4日土曜日

◎2月のベストな的中

 2月のベストな的中は、こんな感じです。

ベストな的中に、

①(射法八節)+会四節」

②弦捻りのルーティン

が貢献していることは間違いありません。


的中率をさらに上げるためにやれることで説明しましたので、参考にしてください。


ところで、

ホットカーペットの上でまるくなる猫

フローリングの猫は、こたつではまるくなれませんね。既成概念は変わるものです。



的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。


がんばれ!&

2023年2月25日土曜日

◎弓道の的中(射技)の物理的考察〜弦捻りのルーティン〜

53.弦捻りのルーティン


弦捻りの必要性については、懐疑的な人も多いと思います。


弦捻りを知らない人、効かせなくても離れる人、手を開いて(緩めて)離す人々にとってはまったく無用なもの、存在を意識もしていないのかも知れません。


しかし、和弓の取り懸け構造での離れの導き方11.取り懸けの親指と中指のクロスをどう解くかを読んでいただければ、手を開いて(緩めて)離す人にも有効に作用してくれるものであることは充分理解できると思います。


ただ単に捻りを効かせているというだけで、交差させた取り懸けの3つの指を弦で割り開く方向の力(テコの力)が働き、軽く取り懸けを解いてくれることをサポートして軽妙な離れを生むため、その作用を活用しないのは、まったくもったいない話(離し)なのです。


そして、取り懸けを解いて離れる人にとっては、48.スランプの原因を物理的に考察するで検証したように、的中(矢所の収束)に影響を及ぼす要素であることは事実です。

⬇︎

しかも、弦捻りを効かせることは、実は勝手側だけではなく、押し手側を整える上でも大きく寄与しているのです。(もちろん、引き分けまでは暴発の防止になります)


多くの皆さんはそのことを意識していないのかも知れません。無意識のうちに使っているものかもしれないのですが、その作用を知っておくことでさらにその恩恵を活用できるようになることでしょう。



<仮説>

弦捻りは押し手と勝手の両方に作用する。(相応の作用)


<検証>

ここで、弦捻りを生み出して消滅するまでに、どんな有効な作用があるのかを明確にしておきたいと思います。


※弦捻りのサイクル※


<弓構え>:弦捻りの誕生

取り懸けを行い、押し手の手の内を作るわけですが、このときに弦捻りをかけ始めます。離れるときの弦捻りの大きさ(モーメント)を100%とすると、弓構えでは10%程度で良いでしょう。このモーメントを弦に働かせることによって、以下のチェックができます。

①弦が弦枕に密着していることを確認できます。

②矢が前に落ちないように、人差し指で保持されていることを確認できます。

③押し手の手の内がベタ押しにならないように、親指の中手骨(第2関節〜根本)と弓の十文字を作り出すことができます。ここで、捻りをかけないと、無造作に弓を握ってしまうことになっているでしょう。(押し手の手の内を整えるために働いています)

④角見の皮の巻き込みが充分か同時に確認できます。


 ⇩

<打起し>:確立

弦捻りは20〜30%程度まで増していきます。

①弓の姿勢を保持する。

②押し手の手の内の十文字を保持する。

③大三に進む際の弦からの矢の抜けを防ぎます。(矢を人差し指で押さえられる)

④大三に移行する際の暴発を防ぎます。(弦枕に弦をさらに密着させる)

⑤取り懸けが緩んでないか(握り込んでないか)を確認できます。

⑥親指が握り込んでないか(弦枕を弦に反発させているか)を確認できます。


 ⇩

<大三>:成長

弦捻りは50%程度まで増していきます。

①打起しの①〜④までと同様です。

②両肘の回内が緩んでないか(両肘で弓を引けているか)を確認できます。

 ⇩

<引き分け>:充実

弦捻りは会に入るまでに80%程度まで徐々に増していきます。

①引き分けの暴発を防ぎます。

②両肘での張り合いを確認できます。

③たぐり(手首の力み)を防ぎます。

④会の準備を整えます。(詰め合い)

 ⇩

<会>:臨界

両肘(特に勝手側)の張りに合わせて、弦捻りはゆっくりと増し持続します。

①弦枕で弦を押し出していく(角見で弓を押していく)押し手側と勝手側の相応を働かせます。

②取り懸けが解ける寸前の臨界の状態を創ります。


 ⇩

<離れ>:消滅


おそらく、皆さんは、以上のようなことを無意識のうちに行っているものと思います。


今回私が陥ったスランプを反省して、それぞれ節での目標値を置いて一つずつ確認しながら繰り返し精度を高め、スランプの再発を防ぐようにしました。もちろん、息づかい(呼吸)に合わせながらということになるのですが。


弦捻りの強さの目標(ねらい)

上図のように捻りの強さの目標を持っておくことも大切です。

ここを適当にやっていると、離れで急に捻りを効かせて振り解く「離し」になってしまって、矢所がバラつく原因になるからです。


離れる際の弦捻りの大きさ(モーメント)を100%としたとき、引き分けから会では80%程度まで高め、会でゆっくりと臨界(≧100%)の状態を創り出し、最終的には、両肘の張りと胸割りで離れに導くことで、精度の高い軽妙な離れが楽しめます。


このルーティンを回していれば、いつ離せばいいか、早気が治らない、もたれになったなどと、あれこれ悩む必要もなくなってくるわけです。離れまでのリズムを創ることで、ビクの抑止にもなるでしょう。



次に、押し手への作用を考えてみましょう。


<弓構え>:

③押し手の手の内がベタ押しにならないように、親指の中手骨(第2関節〜根本)と弓の十文字を作り出すことができます。

④角見の皮の巻き込みが同時に確認できます。

<打起し〜大三>:

②押し手の手の内の十文字を保持する。

<会>:

①弦枕で弦を押し出していく(角見で弓を押していく)押し手側と勝手側の相応を働かせます。


このように、弦捻りは、押し手側の準備(詰め合い)を整えるためにも、有効に働いているということなのです。



さらに、

離れに導くための最終手段である両肘の張りについても、考察しておきたいと思います。


32.的中率を上げるためにやれることで説明したように、会の終盤では、両肘で矢軸方向に張る精度を高めて、勝手側の肘で矢軸方向にまっすぐに離れるようにします。

45.「矢に学ぶ」⑤矢の離れ口でも説明しましたように、会では下図①②の方向に張り(筋力)を「ただひたすらに」効かせていけばいいわけですが、既成概念では、①押しを強調して教えられます。

ただ、私の経験では、押しのみを意識すると往々にして振り込みの離れになり、バランスの悪い離れとなってしまう傾向にあり、大離れにもなりにくくなってくるように思います。(中りは出るのですが)


最終的には、②③を連動させて、①②で張り合い、矢の離れ口のきっかけとなる④と②をできるだけ慎重にゆっくりと作用させていくことで、精度の高い離れが生み出せます。(ここで焦ると振り解きになって必ずブレがでます)


こういったことは、多くの人は意識していないでできているので、あえて教えようとはしないかも知れません。自身が意識していないことを人に教えるのは、不可能に近いことです。(他の人に聞かれて初めて気付かされることが多々あります)なので、見て気付くこと(見取り稽古)も重要です。



これが物理的に見た会〜離れの力の作用なのです。(前にも説明しましたが、あくまでもベクトル(力の方向)※であって、決して力むことではありません)


※ ベクトル(力の方向)≒ しなやか(ソフト)な力 ≠ 力み

 と表現した方が、実践しやすいかもしれません。



「張れや張れ、ただひたすらに梓弓、放つ矢先は知らぬなりけり」


これは、私が先生から教わった会での境地を表現した昔から伝わる弓道教歌ですが、離れという物理現象を生み会のままの残身という結果を得るための、会での一定の法則が定義されているようにも感じられます。



<まとめ>

弦捻りは、押し手と勝手の両方に作用します。各節での目標(ねらい)を置くことで精度の高い離れが生み出せます。しかし、弦捻りは、あくまで離れをサポートするものものであって、離れる手段ではありません。そこは、誤解しないでください。


会での心気の働きについては私には説明できませんが、物理的な力の働かせかたについては明確化できたのではないかと思います。射技の向上の参考にしてください。



次回は、「角見で押して離れる」という弓道の謎 を予定します。

的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。

解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。


がんばれ!&

2023年2月4日土曜日

◎1月のベストな的中

 1月のベストな的中は、こんな感じです。


ベストな的中を出すには、

”一射の最終段階である会の状態の精度を高めること”

そのために、会の中にも節、四つの節のルーティン「射法八節+会四節」を設定したことを弓道の的中(射技)の物理的考察〜的中率をさらに上げるためにやれること〜で説明しましたので、参考にしてください。



的中と仲良しになるためには、ぜひ、弓道の的中(射技)の物理的考察を参考にして稽古を楽しんでください。


がんばれ!&

2023年1月24日火曜日

◎弓道の的中(射技)の物理的考察〜的中率をさらに上げるためにやれること〜

52.的中率をさらに上げるためにやれること


32.的中率を上げるためにやれることの説明から3年が経ちました。


①胸弦をしっかり付けて、弓を安定させ弓をしっかりと引き付けること。

②両肘で矢軸線方向に張り、会のままの離れを導く努力をすること。

この2つを意識して、精度高く引くことです。特に②は必須です。

➡︎
肘の張りで離れている的中


と説明しましたが、皆さんは、身に付けることができたでしょうか?

上記が身についていれば、50%以上の的中は出せるようになっていることでしょう。


そうでない場合には、もう一度、取り懸けと懸け解きを復習してみることをお勧めします。


ここからさらに的中率を上げるには・・・、

常識的な人は、「射技の向上を目指すことである」とでも説くのでしょうか。


しかし、物理的にみると、射技の上達はしなくても、

”的中している時の射をどれだけ再現し繰り返せるようになるか”

ということに尽きます。


弓道を始めて数年でも、9割以上の的中が出せる人の存在が、このことをすでに証明しています。



<仮説>

的中率をさらに上げるには、自らのルーティンとその目標を持つこと。



<検証>

さて今回も、結論から説明します。


的中率をさらに上げるためには、

①(射法八節)+会四節

②弦捻りのルーティン

上記2つの実行を提案します。


弓道のルーティンといえば基本的に射法八節ですが、最も大切なのは会です。このことは、誰もが認識していることだと思います。


しかし、

経験の浅い多くの人は早気です。

引き分けて会に入るや否や、的付けが付くや否やで離してしまっている人が多い。

その原因は、会の意味が理解されていないことによるものと推察します。

意味がないものは省かれる。それは必然でしょう。


会の意味が、気合の充実と説明してみても、とにかく解り難い。

なので、物理的にみた4つの節を会の中に置くことを、私は提案します。


①会四節

1.ねらい

2.弦捻り

3.弦押し

4.引付け


1.ねらい

的付けとほお付けを整え、さらに、矢軸線方向に張りの方向を合わせることです。

38.的中のための本当のねらいとはで説明したように、的付けとほお付けだけでは狙いは整いません。

的付けほお付け

矢軸線方向の張り


2.弦捻り

引き分けるとともに増加してきた弓力に合わせて強めてきた弦捻りの力の方向(ベクトル)を確認します(肘の張り利用して)。そうして、親指と中指が滑り出しそうになるレベルであることを感じます。


3.弦押し

大三〜引き分けまでは暴発しないように、弽帽子を押さえ弦枕で弦を受け止めています。このままでは、手を開かなければ離せないのはあたりまえです。

ここで、初めて取り懸けが解けるように状態をシフトさせます。

具体的には、弦を受け止めていた弦枕で、今度は逆に、弦を前に押し出すように力を効かせ、取り懸けが薄くなるように絞るようにします。

このことは、

2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)

49.取り懸けをミクロに考察してみる

50.取り懸けをミクロに考察してみる(大切な補足編)

51.「離れ」の瞬間を考察する

を参考にしてください。


<補足>

弦を前に押し出す感覚がわからないときは、指パッチンをするときの親指の第2関節(弦枕にあたる部分)の動きに注目してみるとよいでしょう。

懸け解きと指パッチンが異なる点は明確で、取り懸けは中指で親指を上から押さえる形になっているので、解くために弦捻りの力の利用を必要とする点です。

親指の第2関節部の動きは、親指を反らす場合とほぼ等しくなっていることも確認して納得しておくといいでしょう。(親指を反らすと残身で手が開いてしまいますが、親指の弦枕で弦を押していく方法では手は開きません)

押す力の強さは、各自の研究課題です。会の中でゆっくりと強めていくことで、感じ取ってください。弽帽子が逆に反りそうなくらいを目指すと良いでしょう。

親指で弦枕を押す→弦枕で弦を押す→弦は人差し指を押す→人差し指は中指を押す→取り懸けが解けるということになるので、決して握り込みにはなりません。


4.引付け

会の長さに慣れていないと、1〜3節まで進めてくる間に弓の引付けが甘くなってしまいます。それを克服するために、1〜3節を保ちながら両肘の張りで、再度、弓を引付けます。(射法八節図解には、「両肩の線を矢に近づける」と表記されています)

射法八節では、各節でそれぞれの動作を行いますが、会四節では、それぞれの動作を重ねていかなければならないということを、絶対に忘れないでください。


会四節は、決して力む訳ではありません。力をかけている方向(ベクトル)を確認することと理解してください。


会四節は、かなり意識して行っても、外見からはまったく見えない動作になっています。(21.会では見えない動作がある?参照)

引分け
会1会2



会3会4
残身
(「”離れ”を意識するから離すようになる」と当時は教わりました)

②弦捻りのルーティン

会四節に不可欠な前準備のルーティンになります。次回に説明します。



<まとめ>

会四節の「3.弦押し」は、49.取り懸けをミクロに考察してみるにも書きましたように、


もしかすると、

私たちがよく耳にする「角見で押して離れる」と言う表現は、このことを言っているのかも知れませんし、ただ、私たちが、勝手に、押し手のことと勘違いしているだけなのかも知れません。敵には明かせない手の内も、押し手のことではなく勝手の取り懸けにあるのではないでしょうか・・・


の信憑性が高まることにも繋がっているように思います。


会四節の提案が、皆さんの射技の上達・的中率の向上に役立てば幸いに思います。


会が無い、早気を治しなさい、と注意されても、会がどんなものなのかをちゃんと定義してもらわなければ治せるわけはないでしょう、と早気の人を見るたびに思ってしまいます。



次回は、弦捻りのルーティンを予定します。

的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしています。

解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。


がんばれ!&